ホームページ制作の見積もりは、金額だけを横に並べても比較できません。同じ「5ページのホームページ」でも、文章を誰が用意するか、写真を撮るのか、問い合わせフォームを作るのか、公開後に誰が直すのかで、含まれる仕事が変わるからです。
見積もりを取る目的は、いちばん安い会社を探すことではありません。自社に必要なものを、どの会社がどこまで担当するのかを比べ、公開後に困らない選択をすることです。この記事では、初めて依頼する方でも使える確認項目と、制作会社へそのまま送れる依頼文をまとめます。
見積もりを比べる前に決める4つのこと
完璧な依頼書を作る必要はありません。ただし、各社へ渡す条件が大きく違うと、金額差の理由が分からなくなります。まずは以下の4点をメモにして、同じ内容を2〜3社へ伝えます。
- ホームページを作る目的
新規の問い合わせを増やしたい、採用応募につなげたい、既存のお客様にサービス内容を伝えたい、など。目的が複数でも構いません。 - 見てもらいたい相手
地域のお客様、法人の担当者、求職者など。誰が読むかで、必要な情報や文章の順番が変わります。 - 今ある素材
ロゴ、写真、会社案内、サービス資料、施工事例、既存サイトのURL。足りない素材は「何もない」と伝えて大丈夫です。 - 公開後にどうしたいか
自社で更新するのか、更新も任せたいのか。更新の頻度や、今後増やしたいページがあれば書いておきます。
この4点が未定なら、「何から決めるべきか提案してほしい」と添えてください。依頼側が専門用語を理解していることより、目的と現状が伝わることの方が大切です。
総額の前に見る、見積書の7項目
金額そのものの目安(料金を自社のページに載せている制作会社を数えた、1ページ・5ページ前後・10ページ前後の金額の幅)は、ホームページ作成費用の相場ガイドにまとめています。ここでは、金額の差がどこから生まれるかを、見積書の7項目で見ます。
1. ページ数ではなく、各ページの役割
「5ページ」と書かれていても、中身は同じではありません。トップページ、サービス詳細、料金、事例、会社案内、よくある質問、問い合わせなど、どのページを作るのかを確認します。特にサービスが複数ある会社は、すべてをトップページに詰め込むより、依頼につながる主力サービスから専用ページにする方が、読む人にも検索する人にも分かりやすくなります。
見積書では「何ページか」に加えて、各ページに何を載せる想定かを聞いてください。ページ名だけでなく、料金、対応範囲、写真、実績、問い合わせへの導線まで確認できると、比較しやすくなります。
2. 文章・写真・ロゴを誰が準備するか
制作費に差が出やすい部分です。手元の原稿や写真をそのまま掲載するだけなのか、打ち合わせをもとに文章の順番から整理するのか、写真撮影が必要なのかで作業量が変わります。
「文章はこちらで用意します」とある場合は、何文字・何ページ分を、いつまでに渡す必要があるかを確認します。忙しくて原稿づくりが止まりそうなら、ヒアリングから整理してくれる範囲を最初に相談した方が、公開時期を読みやすくなります。
3. スマホ表示と、問い合わせまでの流れ
今は多くの人がスマホで会社を調べます。単にスマホ対応と書かれているかだけでなく、電話・LINE・フォームなどの相談先が、スマホで迷わず使える位置にあるかを確認します。
問い合わせフォームについては、入力項目、送信先、送信後の自動返信、迷惑メール対策をどこまで設定するのかも聞いておくと安心です。問い合わせを受けた後に誰が返信するかまで決めておくと、作っただけで止まりません。
4. 公開に必要な設定は、どこまで含まれるか
ホームページは、デザインができた時点では公開できません。独自ドメイン、サーバー、SSL(通信を安全にする設定)、フォーム送信先など、公開前に確認する項目があります。これらを制作費に含めて進めるのか、契約や支払いを自社で行うのかを分けて確認します。
すでにホームページがある場合は、今使っているドメインやメールアドレスに影響が出ないかも重要です。リニューアル時にドメインをそのまま使うための確認点も、見積もりの前に確認しておくと進めやすくなります。
5. 修正回数・公開までの進め方
「修正対応あり」だけでは、どこまで頼めるのか分かりません。デザインの修正なのか、文章やページ構成の修正なのか、公開後の直しも含むのかを確認します。修正回数だけで判断せず、打ち合わせから公開までの流れと、各段階で確認する内容を聞くのがおすすめです。
たとえば、構成を決める前に確認があるのか、デザイン案はいつ見られるのか、公開直前にスマホで確認できるのか。工程が見えれば、社内で確認する人や素材を用意する時期も決められます。
6. 公開後にかかる費用と、その中身
制作費とは別に、ドメインやサーバーの年額、保守、更新、ページ追加などの費用が発生することがあります。費用があること自体ではなく、いつ・何に・いくらかかる可能性があるかが説明されているかを見ます。
月額制の場合は、月額に含まれる作業と追加料金になる作業を確認します。買い切り型の場合も、公開後の更新を頼むときの窓口や費用を確認します。契約形態の違いは、月額制と買い切り型の比較で詳しく整理しています。
7. 契約が終わるときに残るもの
今は解約する予定がなくても、先に確認しておくと安心です。ホームページのデータ、会社名で使っているドメイン、メールアドレス、写真や文章の元データを、将来どう扱えるのかを聞きます。
ここは相手を疑うための質問ではありません。担当者の交代や事業の変化があっても困らないよう、管理の所在を明確にするための確認です。回答は口頭だけでなく、見積書や契約内容に残してもらいましょう。
見積もりを比べるための質問リスト
見積書を受け取ったら、各社へ同じ質問をして回答を並べます。金額だけでは見えなかった違いが出てきます。
- この金額に含まれるページと、それぞれの役割は何ですか。
- 文章・写真・ロゴは、どちらが何を用意しますか。
- 問い合わせフォーム、スマホ表示、公開に必要な設定は含まれますか。
- 修正は、どの段階で、どこまで相談できますか。
- 公開後に毎月・毎年・必要時に発生する費用はありますか。
- ドメイン、メールアドレス、サイトのデータは誰が管理しますか。
- 納期は、こちらが素材を渡してからどのように進みますか。
回答が曖昧なままでは、比較はできません。「含まれますか」だけで終わらせず、含まれる作業の範囲を具体的に聞くことがポイントです。
そのまま送れる、見積もり依頼文の例
問い合わせフォームやメールに、次の内容をコピーして、自社に合わせて書き換えてください。
ホームページ制作の見積もりをお願いしたいです。
目的:[新規問い合わせ/採用/サービス案内 など]
見てもらいたい相手:[地域のお客様/法人担当者/求職者 など]
掲載したい内容:[主なサービス、料金、事例、会社案内 など]
現在ある素材:[ロゴ・写真・会社案内・既存サイトURL など]
公開後:[更新も相談したい/自社では更新しない予定 など]
見積もりには、ページ構成、文章・写真の準備範囲、公開に必要な設定、公開後の費用、ドメイン・データの管理範囲を記載してください。
書けない部分は空欄で構いません。分からないことを隠さずに伝えた方が、必要な提案を受けやすくなります。
「3社比較」は、必ずしも正解ではない
2〜3社の見積もりを比べると条件が見えやすくなりますが、数を増やせばよいわけではありません。目的を丁寧に聞き、必要な作業と費用を具体的に説明してくれる会社が見つかれば、無理に多くの会社へ依頼する必要はありません。
一方で、金額だけが提示され、何が含まれるか分からない場合は、契約前に質問を重ねる価値があります。ホームページは公開して終わりではなく、会社の情報を伝え続ける場所です。作る過程で相談しやすいかも、選ぶための材料になります。
見積もりを断るときの伝え方
比べた結果、頼まないことにした会社には、決めた時点で早めに伝えます。理由を細かく書く必要はありません。どこが決め手になったかを一言添えると、相手も次の提案に活かせます。
このたびはお見積もりをありがとうございました。社内で検討した結果、今回は別の会社にお願いすることにしました。ご提案いただいた◯◯(例:公開後にかかる費用の内訳)は、比べるうえで大変参考になりました。またご相談することがありましたら、よろしくお願いいたします。
条件を変えた見積もりを改めて出してもらう場合も、最初に決めた4つのことと、見積書の7項目にそろえて見てください。金額だけが下がって、含まれる作業が減っていないかを確かめます。
IZANAへ相談する場合
IZANAでは、必要なページ、今ある素材、公開後にどう使いたいかを聞いたうえで、見積もりの前提から整理します。サイトは買い切りで、基本プランはLP30万円〜、サイト改善・再構築50万円〜、プレミアム80万円〜(いずれも税抜)です。内容により必要な範囲が変わるため、金額だけを先に決めつけずにご案内します。
現在のサイトがある方は、残したい情報や使い続けたいドメイン・メールも含めてご相談ください。依頼文がまだまとまっていない段階でも大丈夫です。
IZANA WEB制作より
納品するのは、ホームページだけではありません
検索で見つかる入口と、問い合わせまで迷わせない導線を制作の最初から組み込みます。検索からの流入は公開後に育てていくもので、順位や集客数の保証はできません。その前提をご説明したうえで、サイトは買い切りで制作します(公開してからの保守はお勧めしています)。仕上がりは契約前に業種別サンプルでご確認いただけます。